関東唯一の飛来地。稲敷市・天然記念物のオオヒシクイ
毎年11月になると、稲敷市の稲波干拓地には、遠い北国から大勢のお客さんが訪れます。
そのお客さんとは、国指定天然記念物・オオヒシクイ。体長90cm、羽を広げると180cm以上にもなる雁の一種のこの鳥は、はるばるロシアのカムチャッカ半島から飛んできます。
かつては馴染み深い鳥であった雁ですが、乱獲や環境の変化によりその数は激減し、現在、関東地方でヒシクイが観察できるのは、ここ稲波干拓地のみとなってしまいました。
関東有数の穀倉地帯であり、約230haの水田が広がるこの干拓地で、ヒシクイたちは二番穂(ひこばえ・稲刈りした後の株が再び伸びて実った穂)をついばんだり、日向ぼっこなどをして冬を過ごします。
この貴重な鳥を一目見ようと、毎年多くの愛鳥家が集います。遠い旅の目的地に、ここ茨城の地を選んでくれたお客さん。ぜひこれからも、冬の一時の保養所として、この場所でゆっくりとくついでほしいものです。
稲波干拓地:
所在地:茨城県稲敷市稲波
※オオヒシクイはとても警戒心が強いため、観察は堤防上から行うようにしてください。
※保護団体「稲敷雁の郷友の会」さんが観察小屋を設置し、観察・保護活動に努めています。
稲敷市:
北は霞ヶ浦西浦,南は利根川に面し,古くから水郷地帯として栄えてきました。多くの野鳥観察スポットや,ヘラブナ釣り・ブラックバス釣りのメッカとして知られています。
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