筑波大学生活的ソウルフード。つくば市・RanRan

40年以上の歴史を誇り、つくばの大学生(主に男)に愛されてきた定食屋、それがつくば市春日の「RanRan」。ご主人が高齢なため、2017年に一時休業しましたが、その後2018年より規模を縮小して再開されました。

学生さん達に愛され続けてきた理由は、美味しさ、手ごろな値段等ありますが、最大の要因はその圧倒的な量。初めて先輩に連れていかれた際「洗面器みたいな丼なんだぜ」と言われ「何を大げさな、ははは…」と内心思っていましたが、本当に洗面器並みの大きさがあり、肝を冷やしたものです(約直径25cm×高さ9cm)。

現在は、ご夫婦二人で回して行ける様、メニューも名物「BIG丼」に一本化。焼肉・麻婆豆腐・野菜炒め・もやしのナムル・絶妙な火加減の卵焼き・そして唐揚げが、その巨大な丼の中に鎮座しています。

それぞれの具材の味わいは完璧で、それを少しずつ組み合わせを変えつつ食べていると、一つの丼の中で様々な味わいが浮かび上がり、いつまでもその美味しさを味わえます。何しろ並盛で重量1.6kgほど、一般的な丼チェーンの特盛サイズを凌駕するサイズですから。食べてみたいけど、そこまで食べられない…という方には、その下に小盛およびミニの2サイズがありますのでご安心を。とは言っても、ミニでも他の店の大盛並みの量ですが。

今回、いつか息子と一緒に食べるという昔からの夢を果たしに、10年ぶり位に伺いましたが、味のぶれなさに驚きつつ、その美味しさを噛みしめました。

人の親となった今、学生さん達に安く美味しいものを、お腹いっぱい食べさせてあげようというご夫婦の心意気がひしひしと伝わり、食べながら不覚にも涙が浮かびそうに…。危ない、余計な塩味を追加して、完璧な味わいを台無しにしちまうところだったぜ。

学生時代。ボッチのクリスマスも、何の成果も上がらないバレンタインも、その味とボリュームで優しく包み込んでくれたRanRan。筆者のうだつの上がらない青春時代は、このお店に支えてもらっていたといっても過言ではないでしょう。

本当に、ありがとうございました。それしか言う言葉が見つかりません。これからも、この味わいを楽しませて頂きたいものですが、どうか、ご夫婦ともお体をお労りになり、末永くお健やかであられるよう、心から願っています。

2023年6月17日 追記
43年の長きに渡り筑波大生を支え続けてきてくださった同店は、2023年6月16日をもって完全閉店となりました。ラストオーダーの時間も過ぎた後に閉店の報に接し、しばし絶句。

閉店を告げるお店の公式Twitterには、瞬く間に感謝と惜別のコメントが溢れ、いかに皆に愛された存在であったかを改めて痛感しました。名残惜しいけれども、もう一度食べたかったけれども、素晴らしい味と思い出をくださったご夫妻に、心からの感謝を捧げます。本当に美味しかったです。ご馳走様でした!

RanRan:
所在地:茨城県つくば市春日4-4-18
営業時間:5時30分〜9時:30分(オーダーストップ8時30分)
定休日:水・土・日・祝日
公式twitter→【RanRan】
※イラストは、往時を振り返りつつ、規模を縮小する前の間取りで図案化しています。

つくば市:
万葉の昔より信仰の対象とされてきた名峰・筑波山の南麓に位置し,数多くの研究機関が集積する科学の街・つくば市。研究所をまわる夏休みのサイエンスツアーも大人気です。
その他の記事はこちら→【つくば市】

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