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300㎜/hの恐怖!つくば市・防災科研の豪雨体験

【NEWSつくば連載 日本一の湖のほとりにある街の話vol.14】
毎年夏休み、つくば市内の各研究所で開催される様々な科学イベント。その中でも人気施設の一つに、防災科学技術研究所があります。

同研究所は、地震、津波、噴火、暴風、豪雪、地滑り、そして水害等の被害を抑えるべく、様々な実験施設により産学官民連携した研究を行い、社会に役立つ情報プロダクツを創出する機関。国内数か所に拠点があり、そのうちつくば本所には世界最大級の「大型降雨実験施設」等が設置されています。

そしてこの大型降雨実験施設の人気体験イベントが「豪雨体験」。日本観測史上最大の降雨量、1時間換算300mmという猛烈な雨を体験することができるというものです。

今回は、同研究所広報の入沢さんに、この実験施設についてお話を伺いました。研究所入口の駐車場に車を停め、木々が豊かに茂る広大な敷地内をご案内頂くこと数分。木立の切れ間から目に飛び込んできたその施設は、とにかく巨大!建屋の大きさは奥行49m×幅76m×高さ21mと、7階建てマンションが数棟並んだほどの大きさ、さすが世界最大級!

それだけでも驚きですが、なんとこの建物、動くのだそう!施設は様々な実験が可能なよう、A~Eの一直線上に並んだ5ブロックがレールでつなげられており、その上を巨大な建屋が移動するとのこと。これにより、それぞれの区画で、実物の家屋など制作に長い日数を要する実験模型を準備し、様々な実験を行うことができるのだそうです。

実験にあたり、いで立ちはカッパに傘、長靴と、完全フル装備、どんな雨も大丈夫…なハズ。いざ実験が開始されると、床面から16m上に設置された544個のノズルから、自然な降雨を再現した雨が降り始めます。雨は段々と激しさを増していき、叩きつけるような雨に。そして1時間に300mmという降水量に達すると、長靴は水で満ち、激しい雨で視界は不明瞭、音は雨音しか聞こえません。これが実験でなかったら、恐怖にすくんでその場から動けなくなってしまうでしょう。

降雨のために地下に設けられた貯水槽の容量は2,500㎥、小学校のプールおよそ4個分はあろうかという量。1日に実験で使用できる水量は、2,000㎥にもなるそうです。この施設は自治体の啓発動画の作成や、建設業界との協働による水害に強い建物の開発、ドローンや自動車の技術向上等、様々な実験に使用され、年間90%という高い稼働率を誇っているとのこと。

ここ数年来、毎年のように繰り返される「数十年に一度」の自然災害。中でも深刻なものの一つが、集中豪雨による水害です。ただし、この災害が地震や火山の噴火と違うところは、予報からある程度事前の対策が可能な点。

子供の夏休みの自由研究にとどまらず、いざという時の準備のためぜひ皆様に体験いただきたい、非常に貴重な機会です。ぜひ足を運び頂き、ご家庭の防災力向上にお役立てください。

本記事は、NEWSつくばにて連載のコラム「日本一の湖のほとりにある街の話」第14回記事です。
元記事はこちら→《つくばの防災科学技術研究所《日本一の湖のほとりにある街の話》14》

防災科研 一般公開2023
日時:8月5日(土)10:00~16:00 
場所:茨城県つくば市天王台3-1 国立開発研究法人 防災科学技術研究所
入場無料
詳細→防災科研 一般公開2023

つくば市:
万葉の昔より信仰の対象とされてきた名峰・筑波山の南麓に位置し,数多くの研究機関が集積する科学の街・つくば市。研究所をまわる夏休みのサイエンスツアーも大人気です。
その他の記事はこちら→【つくば市】

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