松明ともして豊穣祈願。桜川市・かったて祭
毎年8月31日,桜川市・五所駒瀧神社では,氏子が火のともった松明(たいまつ)を手に山を登り,神火を奉納する「かったて祭」が行われます。
当日夕方,氏子や参拝者がそれぞれ手作りの松明を持って神社に集合し,神職が伝統的な作法で起こした火を,それぞれの松明に移します。その神火を真壁富士に鎮座する富士浅間神社に奉納し,五穀豊穣等を祈願する,というのがその内容。
山に灯る明かりの連なりと,最後に打ちあがる花火がとても風情のあるこの祭礼,起源は平将門とその伯父の平良兼の間に起こった羽鳥・弓袋の戦いにまでさかのぼるそうです。
両者は領地争いが絶えず,承平七年(937年),将門が竜ヶ井城の良兼を攻めたところ,良兼は弓袋の山中に逃走。将門勢はそれを追い,松明を持って山刈りをしたそうです。やがて年を経て,この時の様子がもととなり,村人総出で神火を奉納し五穀豊穣を祈るようになったとのこと。
ふもとの街からも見える山を練り歩く松明の連なりは,真壁に夏の終わりを告げる風物詩となっています。
かったて祭り:
開催地:五所駒瀧神社(茨城県桜川市真壁町山尾499)
開催日:毎年8月31日
桜川市:
筑波山の北麓に位置する,山と里の景色豊かな桜川市には,茨城県内唯一の重要伝統的建造物群保存地区・真壁の街並みをはじめ,歴史を感じさせる風景が多く残されています。
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