三代で磨き上げた濃厚な栗。かすみがうら市・四万騎農園

【NEWSつくば連載 日本一の湖のほとりにある街の話vol.16】
秋の味覚・栗と言えば、長野県小布施町や兵庫県丹波市が有名ですが、実は生産量日本一は茨城県。なかでも、かすみがうら市はその中心地のひとつです。

その中でも「高継(たかつぎ)」という、今では日本の栗栽培におけるスタンダードとなっている方法を確立したのが、同市の「四万騎(しまき)農園」。今回は、同農園の三代目である兵藤昭彦さんに、美味しい栗栽培についてのお話を伺いました。

四万騎農園は昭彦さんの祖父、兵藤直彦氏により大正8年に創業。直彦氏は凍害に弱い栗の木の育成を改善するため、土台となる台木の高いところで接ぎ木をする高継苗を開発し、茨城の栗の生産性向上に多大な足跡を残されました。

昭彦さんによれば、栗の栽培にはスタンダードな方法がなく、その生産者により正解が異なる面白さがあるそうです。四万騎農園では代々の工夫の結果、木の間隔を4m空けて植樹し、さらにその後間伐により8.5m間隔としているとのこと。また、12~3種類に及ぶ品種を生産することにより、9月から10月下旬まで収穫期を広げ、収穫する労力の集中を避けるとともに、時期ごとにより異なる美味しさが楽しめるよう工夫をしているそうです。

ところで栗と言えば秋ですが、この農園には春にも見事な名物が!それが、栗畑一面に咲き誇る菜の花です。緑肥のために数十年前に蒔いた菜の花が、いつしか種が土にすき込まれて自然に生えてくるようになったとのこと。本来、花を咲かせることが目的ではないものの、この風景を楽しみにされるお客さんが増えたことにより、できるだけきれいに咲くよう、心配りをされているそうです。

さて、同園では生栗のほか、渋皮煮、ジャムなどを販売しています。昭彦さんのおすすめは、手間暇かけた渋皮煮。そのほか渋皮煮をベースにして作ったマロンジャムも、看板メニューとして親しまれています。

「プレーン」「ラム」「オー・ドゥ・ヴィ」の3種類のジャムは、粒感たっぷりの濃厚な味わいで、パンやアイスと共にいただくと、濃厚な栗感を存分に楽しめる逸品。また、ローストポークやチキンソテーなど、肉料理のソースに使っても相性抜群でおススメです。代々の工夫により磨かれてきた、濃厚かつ芳醇な秋の味わいを、ぜひお楽しみください。

本記事は、NEWSつくばにて連載のコラム「日本一の湖のほとりにある街の話」第15回記事です。
元記事はこちら→栗を栽培する四万騎農園《日本一の湖のほとりにある街の話》16

四万騎農園:
所在地:茨城県かすみがうら市上土田1020-24
電話:0299-59-2038
営業時間: 9時〜17時(不定休)
公式HP→【四万騎農園】

かすみがうら市:
霞ヶ浦西浦の北岸に長く伸び,古くから農業漁業がさかんなほか,茨城県内有数の果物産地でもあります。明治期に同市出身の折本良平が開発した帆引き船は霞ヶ浦の風物詩。
その他の記事はこちら→【かすみがうら市】

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