• LEISURE
  • スポーツ・レジャー

55万本が織りなす可憐なパッチワーク。桜川市の山桜

花は咲きこぼれ,緑がしたたる日本の春。この季節を迎えるたび,これほどに美しいものはまたとあるまい,との感慨に打たれます。さて今回は,そんな美しさを存分に味わえるスポット,桜川市の桜をご紹介。

桜川市は,古来より「西の吉野,東の桜川」と,桜の名所として知られてきました。ただし,こちらの桜は一斉に咲いて散る「ソメイヨシノ」ではなく,様々な種類の山桜。

接ぎ木で増やす,同一のDNAを持つソメイヨシノとは異なり,種子で増える山桜は花弁の形や色・匂い・開花時期に至るまで,それぞれDNAが異なります。桜川市の花崗岩質の土壌はこの種の生育に適しいるため,様々な交配種が生まれ,増えていったそうです。現在,なんとその本数は実に55万本に及ぶそう。

4月上旬から下旬が見ごろですが,その魅力は何と言っても日々表情が変化するところ。白い桜,赤みがかった葉,桜以外の様々な樹木の淡い新緑が織りなす色合いは,刻々とその姿を変え,見飽きることがありません。

ソメイヨシノのように一斉に咲き誇る艶やかさはないものの,様々な色合いが織りなす天然のパッチワークからは,春・再生の時を迎え芽吹き花咲く,自然の力強さと美しさを感じずにはいられません。

市では展望台を整備しており,そこから絶景を望むことができますが,少し離れた場所から,山桜を眺めつつの野点,などというのも乙なもの。最近ではアウトドアメーカーが,手軽に持ち運びしやすく壊れにくい野点セットを販売しているので,そういったものを利用してみるのも良いかも知れません。

訪れるたびに異なる表情を見せてくれる,可憐なる自然のパッチワーク。ぜひ何度でもお運び頂き,その風情をお楽しみください。

桜川市の山桜:
所在地:茨城県桜川市平沢
見ごろ:4月上旬~4月下旬(年により異なります)

桜川市:
筑波山の北麓に位置する,山と里の景色豊かな桜川市には,茨城県内唯一の重要伝統的建造物群保存地区・真壁の街並みをはじめ,歴史を感じさせる風景が多く残されています。
その他の記事はこちら→【桜川市】

関連記事一覧