土浦の花火事始め。神龍寺・秋元梅峯和尚
優勝者には「内閣総理大臣賞」が贈られる土浦全国花火競技大会。この大会の事の起こりは、一人の和尚さんによるものでした。
土浦市文京町・神龍寺24代目の、秋元梅峯(ばいほう)和尚がその方。かねてより貧民救済、産業振興等の社会事業に熱心だった和尚が、大正14年、戦没者の慰霊と、関東大震災後の不況にあえぐ街に活気をよみがえらせるため、私財を投じて行った花火大会が始まりです。
時は流れ2000年、土浦の花火優勝者に、内閣総理大臣賞が贈られることとなりました。この賞が贈られるのは、土浦と大曲の花火の二つのみ。こうして、「土浦の花火」は、名実ともに日本最高峰の花火大会となったのです。
一人の人間の、熱い想いが社会を動かす。そうした背景を思い起こしながら眺めることで、夜空に咲き誇る万朶の花々も、より深みを持って味わえるのではないでしょうか。
神龍寺:
所在地:茨城県土浦市文京町1-27
→月刊ろたす2017年10月に連載「水郷手帳vol.04」として掲載されました。
土浦市:
霞ヶ浦西浦の西端に位置し,江戸の頃より茨城県南の要所として栄えてきました。ナショナルサイクルルート「つくば霞ヶ浦リンリンロード」の拠点となっています。
その他の記事はこちら→【土浦市】