その場所は、さながら美しい街のようで。LALAガーデンつくばの想い出

2022年10月16日。つくば市小野崎の商業施設・LALAガーデンつくばが閉店しました。乱立するショッピングモールの中でも、我が家と特に縁の深かったこの施設の想い出について、今回はお話させてください。

10余年前。子供の誕生と共に近隣に引越してきて以来、ここは常に家族の歩みと共にあった施設でした。

カスミでの食材調達、アカチャンホンポで育児用品の買い物、インテリア雑貨店で少しずつ揃えていった家の物。写真スタジオで七五三の記念撮影の際、晴れ着に袖を通した時の嬉しそうな子供の顔は、今も心象に刻まれています。

雨の日も子供と遊べる屋内広場に、敷地の要所に効果的に配置された遊具。いつもよく手入れされた草花に彩られた古井戸もお気に入りで、施設内の全ての場所に、家族の笑顔の思い出が詰まっていました。

夏休み、週末ごとに開催されるイベントに、子どもと手をつないで何回足を運んだことか数え切れません。夜になると、中央部分の噴水広場は塔から放射状に吊るされた灯りに照らされ、その下のテーブルでお惣菜を食べれば、いつでも夏祭りのような気分に浸れたものです。

途中、東日本大震災による被災やテナントの移り変わりにより、衰退を感じた時期がありつつも、ツタヤとサザコーヒーが入ったことで、地域に再び文化の薫りを吹き込んでくれました。

施設の構成も近隣の他ショッピングモールとは異なり、分節された建物・様々な形状と素材・随所に施された細かな楽しい仕掛けと、効率重視の単なる箱ではなく「街をつくる」という三井不動産の確固たる意思と矜持が感じられる、楽しく歩くことができる場所でした。

閉館の報道がなされてから最終日までの数か月は、一時途絶えた電車型遊具が復活し、毎週末広場で演奏会が開かれるなど、さながら最盛期が戻ってきたよう。最後の最後まで、地域に潤いと文化を作らんとするその姿勢は唯々気高く誇り高く、落涙を禁じえませんでした。

もう直接お伝えすることは出来ませんが、この場を借りて施設関係者の皆様に、心より感謝を申し上げます。18年間の長きにわたり、地域に豊かな文化をはぐくんでくださり、本当にありがとうございました。

LALAガーデンつくば:
営業期間:2004年3月19日~2022年10月16日
所在地:茨城県つくば市小野崎字千駄苅278-1

つくば市:
万葉の昔より信仰の対象とされてきた名峰・筑波山の南麓に位置し,数多くの研究機関が集積する科学の街・つくば市。研究所をまわる夏休みのサイエンスツアーも大人気です。
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