江戸情緒満載のユネスコ無形文化遺産!佐原の大祭
【NEWSつくば連載 日本一の湖のほとりにある街の話vol.13】
小江戸三市の一つとして知られる、千葉県香取市佐原。江戸時代、江戸を洪水から守るため利根川の東遷が行われたことから、利根川の水運と陸路の結節点として栄えた商業都市です。「周長日本一の湖」霞ケ浦の周りの様々な営みをご紹介するこの取組、香取市って霞ケ浦に接していないのでは?とお思いの方もおられるかと思います。
ですが古代、霞ヶ浦は「香取海(かとりのうみ)」という広大な内海であり、堆積や干拓などの結果、現在の霞ヶ浦(西浦)、北浦、常陸利根川へと姿を変えました。広義の霞ヶ浦とはこの3つの水系の総体であり、香取市は北側でこのうちの常陸利根川に接しているのです。
この香取市を代表する「佐原の大祭」は300年以上の伝統を持ち、国の重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産にも登録され、その文化的価値が非常に高く評価されているお祭り。今回は、千葉県唯一の重要伝統建造物群保存地区である佐原の町並み(※)の中で開催される、この祭礼についてのご紹介です。
祭り中、町に響く「佐原囃子」は日本三大囃子にも数えられており、このお囃子にのせて、歴史的な建物が建ち並ぶ佐原の町並みの中を、山車が家々の軒先すれすれに進みます。その様は迫力・風情とも圧巻の一言、関東三大山車祭りの一つに数えられるのもさもありなんというものです。
大祭は、7月の「八坂神社祇園祭」と、10月の「諏訪神社秋祭り」の2つのお祭りに分かれており、夏は小野川の東側に10台の山車が、秋は小野川の西側に14台の山車が登場。この山車、町内ごとにそれぞれとても個性豊かで、いずれも総欅造りの本体に重厚な彫刻が施され、上部には江戸・明治期に制作された、高さ4mにも及ぶ大人形が飾られています。
人形は「イザナギ」「スサノオノミコト」など日本神話にちなむものや、「神武天皇」「源頼義」などの歴史上の人物など様々。ちょっとユーモラスなものとして「浦島太郎」や「鯉」等といったものもあります。
若頭の打つ拍子木に合わせ、小野川沿いを曳き回される様はもちろん、狭い道路で山車がすれ違う場面も迫力満点。豪快な山車の曳き回しと伝統的な町並みが織りなす風情を求め、35万人もの観光客が訪れるそう。まだご覧になっていない方は必見、江戸情緒あふれる素晴らしいお祭りです!
※街並みについての記事はこちらをどうぞ →【これぞ小江戸の風情。香取市・佐原の街並み】
本記事は、NEWSつくばにて連載のコラム「日本一の湖のほとりにある街の話」第13回記事です。
元記事はこちら→《常陸利根川沿い香取市 佐原の大祭《日本一の湖のほとりにある街の話》13》
佐原の大祭:
開催時期:
夏祭り:7月10日以降の金曜・土曜・日曜日の3日間
令和5年は7月14~16日
秋祭り:10月第2土曜日を中日とする金曜・土曜・日曜日の3日間
開催地:香取市佐原(夏祭り:本宿地区、秋祭り:新宿地区)
香取市:
外浪逆浦に面する千葉県香取市は,東国三社のひとつ香取神宮を擁する歴史ある街。三大小江戸の一つ佐原の街並みは,国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
その他の記事はこちら→【香取市】