榊の鍬で豊穣祈願。桜川市・鍬の祭

毎年一月三日、桜川市の大国玉神社で執り行われる、五穀豊穣を願う田遊び神事「鍬(すき)の祭」。社殿前に榊の小枝を敷きつめて新田に見立て、鎌倉時代の作とされる翁(※)の古面をかぶった神職が、榊の鍬を手に一連の田植え作業を演じ、その年の五穀豊穣を願うというのがその内容です。

神事は春鍬打ち、畦づくり、種まき、お田植えなどからなり、唱え言をしながら農作業が演じられます。祭りの最後、もち米が入ったおひつの中に豆を投げ入れ、入った豆の数でその年の豊作を占ってフィナーレ。

氏子だけでなく一般の参拝客も見学できる、どこかコミカルでありつつ神聖なこの田遊び神事、お正月休みに是非ご覧ください。

※翁(おきな):能面の中でも特別な位置づけであり、新年など限られた際に演目翁(おきな)を演じるときにのみ使用されます。「翁」は通常の能とは異なり、物語ではなく国土安寧・五穀豊穣を願って舞う儀式であることも大きな特徴。また、他の能面とは異なり、満面の笑みをたたえ深いしわが刻まれたその表情は、長寿と生命を司る神様の化身としての意味合いを持っています。

鍬の祭:
開催地:大国玉神社(茨城県桜川市大国玉1)
開催日時:毎年1月3日

桜川市:
筑波山の北麓に位置する,山と里の景色豊かな桜川市には,茨城県内唯一の重要伝統的建造物群保存地区・真壁の街並みをはじめ,歴史を感じさせる風景が多く残されています。
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