流れゆく灯火は、心を映す鏡のようで。行方市・手賀水神宮

食用養殖鯉の生産量全国一を誇る霞ヶ浦の中でも、一大生産拠点である行方市手賀地区。同地区湖岸沿いの手賀漁港のすぐ北側には、漁の安全を祈念する「手賀水神宮」が鎮座しています。

湖面に突き出すように建立された白い神明型の石鳥居と、その足元に湖面を向いてちんまりと佇むお社は実にフォトジェニック。日中、青い空と湖面を背景に見るのも良いですが、何と言ってもおすすめは黄昏時です。

日没間際の天と地が溶け合うほんの数刻、鳥居越しに霞ヶ浦大橋を眺めれば、橋を行き交う明滅する灯火は人魂のようで、えも言われぬ幽玄美が感じられる風景。幸せな気分の時にはその灯り一つ一つにあたたかなストーリーが浮かび、落ち込んでいる時は物悲しく目に映るその光景は、さながら自らの心を映し出す鏡のようです。

できる事ならば、常に幸せを思い浮かべながら眺めたいなあ…などと思いつつ見入ってしまう、湖岸の素敵なワンシーン。水面を吹き渡る風の音を聞きつつ見るのも趣深いですが、浮遊感のある楽曲を奏でたら当代随一、「キセル」の「ギンヤンマ」「ビューティフルデイ」をBGMに眺めるのが個人的にお気に入りです。

手賀水神宮:
所在地:茨城県行方市手賀

行方市:
霞ヶ浦西浦と北浦に面する二湖のまち,行方市。豊かな水産・農業資源を背景に古代より栄えました。その歴史に根差した,ユニークな祭礼が数多く残っています。
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