農業ってすごい!つくば市・食と農の科学館

茨城県つくば市の「食と農の科学館」は、農林水産研究を行う4つの国立研究法人の研究成果を展示する施設です。

館内は大きく「研究成果紹介エリア」と「古い農具や民具の展示エリア」の二つに分かれており、普段何気なく口にしている食べ物が、どのようにして生産され、またその技術が日々どのように改良されているのかを知ることができます。

「研究成果紹介エリア」内はさらに「食料の安定生産」「高付加価値商品の開発」「バイオテクノロジー研究」「地球規模の農業課題」などの分野に分かれており、見ごたえ十分。

小さなお子さんが理解するのは難しい部分もありますが、「食料の安定生産」内の、世界のお米のクイズコーナーや、お米を拡大展示した模型など、随所に興味を引く仕掛けが施されており、夏休みの自由研究にはうってつけです。

個人的に興味深かったのは、スマホで田んぼの水量管理をするシステム。通常であれば、毎日田んぼの様子を見てその場で手動管理せねばならず、それが多大な労力となっているところを、水田に設置した制御装置からの情報をもとにスマホで遠隔・自動給排水操作を行うことにより、水管理の労力が7~9割も減るというもの。今後の人口の減少・農業従事者の減少を考えたとき、このような効率化・それによる収穫性の向上は必須と言えるでしょう。

そのほかの展示でも、付加価値を高める様々な技術や、サステナビリティの追求など、農業というものがどれほど多角的に研究されているのかを知ることができます。「農業」というと、私の様な非農業従事者は、つい牧歌的なイメージを浮かべてしまったりしますが、さにあらず。古来より営々と改良され続け、今なお進化し続ける、巨大な科学体系であることが体感できる、とても有意義な施設です。

食と農の科学館:
所在地:茨城県つくば市観音台3-1-1
休館日:当面の間、土曜日・日曜日・祝日は休館
開館時間:午前9時~午後4時
入館料:無料・事前予約制(事前予約については下記公式HPへ)
公式HP→【食と農の科学館】

つくば市:
万葉の昔より信仰の対象とされてきた名峰・筑波山の南麓に位置し,数多くの研究機関が集積する科学の街・つくば市。研究所をまわる夏休みのサイエンスツアーも大人気です。
その他の記事はこちら→【つくば市】

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