空を守るユニークな鳥居とお社。小美玉市・百里神社

茨城県小美玉市、航空自衛隊百里基地の西側に佇む小さな神社「百里神社」。この小さなお社は昭和13年(1938年)に現在の小美玉市に設立された、旧帝国海軍の百里原海軍航空隊の守護神としてお祀りされたものだそうです。

大人二人が何とか通れる程度の小ささで目を惹く鳥居(※1)は、足元の台座もまた特徴的で、半円を描いてふくらんでいます。これは当時、百里原海軍航空隊で訓練に用いられていた、九九式艦上爆撃機等の車輪のキャノピー(カバー)を模したもののよう。

鳥居の奥の、これもまた小さな社殿は型枠の板目も荒いコンクリート製で鉄製の扉も荒々しく、一見して社殿とは分からない簡素な作り。物資の乏しい時代に急ごしらえした事によるものか、あるいは飛行場の施設を流用したものなのかは分かりません。

ただ、旧百里ヶ原海軍飛行場の正門跡すぐ横に位置していることから、出撃に際しここにお参りし、命を落とした多くの先達もおられたのでしょう。その事を考えると、その簡素さに逆に胸を打たれるものがあります。

小さなお社は、航空機の離着陸の音を受けながら、今も静かに空の安全を守っています。

※1かつて土浦市にあった「どうろくさま」の鳥居より少し大きいくらいかもしれません。
※2イラスト中の御朱印は、兼務されている素鵞神社で拝受できます。図案は百里基地に配備されているT-4中等練習機など全6種類。戦闘機を配した御朱印帳とあわせ、人気を博しています。

百里神社:
所在地:茨城県小美玉市山野1653
素鵞神社:
所在地:茨城県小美玉市小川古城1658-1

小美玉市:
霞ヶ浦西浦の北端に位置し,おだやかな田園風景が広がる小美玉市。平成22年に新たに開港した茨城空港により,茨城の新たな玄関口となっています。
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