今に伝わる鬼神伝説。桜川市・雨引観音マダラ鬼神祭
桜川市を代表する名刹,雨引山楽法寺。587年創建のこのお寺は,安産や子育てのご利益があるとして,地元では「雨引観音」の名で親しまれています。
この名刹で,毎年4月第2日曜日に行われている奇祭が「マダラ鬼神祭」。京都広隆寺の牛祭とともに,日本二大鬼神祭のひとつとされていますが,牛祭は開催が不定期なため,実際上はトップ・オブ・日本の鬼神祭と言ってよいでしょう。おお,ここにも日本一が。
さて,この祭事の起源は,室町時代・応仁の乱(1467年)の頃,足利勢により焼け落とされた雨引観音を,白馬に乗った鬼と覆面の集団が再建した,との伝承によるものとされています。
祭りはこの縁起にのっとり,マダラ鬼神が白馬で石段を駆け上るところから始まります。白馬に乗った赤い衣装の鬼神が石段を駆け上がる様は,いかめしくも優美。それに続き,矢を背負った5人の鬼と僧侶が続きます。
全員が石段を登りきると始まる,境内中央のお焚き場での僧による読経と大太刀の儀式。その後,お焚き場に火がくべられ,マダラ鬼神と5人の鬼たちが炎を中心に舞い踊ります。
舞は,鬼たちが49本の破魔矢を境内に放ってフィナーレ。放たれた矢は,手にすればその1年間幸せになる縁起物として大人気,なかなか手に入らないレアものです。
鬼たちが大活躍するという,一風変わった迫力満点のこの奇祭,ぜひ一度ご覧ください。
雨引山楽法寺(雨引観音):
所在地:茨城県桜川市本木1
公式HP→【雨引山楽法寺】
桜川市:
筑波山の北麓に位置する,山と里の景色豊かな桜川市には,茨城県内唯一の重要伝統的建造物群保存地区・真壁の街並みをはじめ,歴史を感じさせる風景が多く残されています。
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