巻き起こる風にすらご利益。香取市・観福寺の転読

川崎,西新井とともに,日本三大厄除大師に数えられる古刹・香取市は観福寺。同寺は我が国初の実測日本地図を作った伊能忠敬の墓があるほか,秋の紅葉など,折々に美しい景色を見せてくれる事でも知られています。

この観福寺で節分の際に行われているのが,大般若経の経典を,バラバラとアコーディオンのように広げながらお経を唱える「転読」。転読とは,経典を全て読経するのではなく,経題や主要な部分を拾い読むことをいいます。

大般若経は,西遊記でおなじみの玄奘三蔵によりインドからもたらされた,全600巻に及ぶ仏教の一大経典であり,全部読経しようものなら数日間を要するほど。そこで,時代を経る中でこのような形になっていったのだそうです。

この転読の際におこる風(梵風)にすらご利益があり,風が当たると無病息災の加護を得るのだとか。除災与楽を祈る,居並ぶ僧侶による転読の声が,二月のお堂に響きます。

観福寺
所在地:千葉県香取市牧野1752

香取市:
外浪逆浦に面する千葉県香取市は,東国三社のひとつ香取神宮を擁する歴史ある街。三大小江戸の一つ佐原の街並みは,国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
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