新生活を,素敵な器で。つくば市・ろばの家

「ろばの家」。一風変わった名前のこのお店は,つくば市天久保に居を構える暮らしの道具と食材のお店です。

イタリア語で「物」を意味する「roba」をその名に冠するこのお店に並ぶのは,オーナーの福江さんご夫婦の選択眼で丁寧に選ばれた,様々な器や食品。まもなく4月,新生活を迎える方に,ぜひ覗いて頂きたい,おすすめのお店です。

シンプルでいて,控えめな気品の漂う数々の器たちは,簡単なお惣菜を盛り付けるだけでも,実に美味しそうになるものばかり。薄すぎず,厚すぎず,適度な厚みの器達は,手にすると心地よい安心感と緊張感を与えてくれます。

我が家で求めた鎬のカフェオレボウルは,コーヒーに,スープにと大活躍。黒の飯椀は,時に黒織部の抹茶椀に見立てて楽しんだりと,実にさまざまに働いてくれています。

また,器だけでなくこだわりの食材もおすすめ。イタリアの伝統的お菓子や,様々な調味料,美味しいお茶など,どれも手に取りたくなるものばかり。どの器も食材も,きっとあなたの新生活を,より鮮やかに彩ってくれることでしょう。

さてここで,恥ずかしながら器に関する私的なエピソードを一つ。新婚当初,新人設計事務所員の私と,似顔絵描きの妻の我が家は,お世辞にもお金に余裕があるとは言えませんでした。

ですが,高い食事ができなくとも,器やしつらえに気を配り,楽しく・美味しい食卓となるよう工夫してきました。

ある日の昼食。西荻窪で背伸びをして求めた,リムを深くとった優雅な白磁の皿に,中高にレタスだけを盛付け,ちょっと気取って私は差し出しました。「本日の前菜,ハネムーン・サラダです」

レタスだけの皿を見て,キョトンとする妻。微笑みながら私は続けます。「Let us only salada(二人っきりにしてください※)って意味なんだ…」それをうけ,陽だまりの食卓の中で「もう,二人きりだけどね」とクスリと笑う妻。

そんな思い出の詰まった器たちは,今でも我が家の食卓に彩りと,新しい生活の1ページを,日々加え続けてくれています。

使い込むほどに,道具はそこに込められた想いを増し,単なる物を超えた,かけがえのない存在となっていきます。「ろばの家」は,そんな愛着の原石が詰まった,とても素敵なお店。みなさまの新生活の始まりに,ぜひお出かけください。

※lettuce only(レタスだけの)の発音が,let us only(二人きりにして)に似ていることによる英語圏のジョークです。

ろばの家:
所在地:茨城県つくば市天久保2丁目11-1コーポりぶる1F
​定休日:月曜日・火曜日
営業時間:12時~18時
駐車場:有
公式HP→【ろばの家】

つくば市:
万葉の昔より信仰の対象とされてきた名峰・筑波山の南麓に位置し,数多くの研究機関が集積する科学の街・つくば市。研究所をまわる夏休みのサイエンスツアーも大人気です。
その他の記事はこちら→【つくば市】

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