斜面を練り歩く一大歴史絵巻。つくば市・御座替祭

筑波山神社で特に重要な神事,毎年4月1日と11月1日に行われる「御座替祭(おざがわりさい)」。

この神事は「神衣祭(かんみそさい)」「奉幣祭(ほうべいさい)「神幸祭(じんこうさい)」の3つから構成されており,春に親神が山の中腹の拝殿に,子神が山頂の本殿に遷座。秋にはその逆に親神が本殿に,子神が拝殿に移る,というものです。

その中で,もっとも有名なのが,200名にも及ぶ氏子の方々が歴史装束に身を包み,つくば道「一の鳥居」から行列を組んで拝殿へとお神輿を運ぶ「神幸祭」。

赤い天狗面の猿田彦(※1)が先導し,太鼓や雅楽の音に合わせ,山吹色の装束の担ぎ手により神輿が運ばれていく様は,まさに圧巻の歴史絵巻。

ただ,観客としては見どころ満載なのですが,つくば道はとても急な坂道で,散歩で歩いても疲れるほど。

それを,重いお神輿を担いで息せき切って登るのですから,その大変さたるやいかばかりか。ですが,担ぎ手の皆さんをはじめ,歴史装束に身を包んだ地域の皆さんからは,疲れよりも誇らしさを感じます。

万葉の昔からの信仰対象,霊峰筑波山の歴史と伝統を感じさせる,そんな素敵なお祭り。ぜひお出かけください。

※1.猿田彦:天孫降臨の際,道案内したとされる国津神。万事を吉方に導く神とされています。

※2.ちなみに,背景に描いた「旧筑波山郵便局」は,春と秋には期間限定で公開され見学が可能。さらに,その際に局前の昔ながらの丸ポストから投函すると,筑波山神社の消印を押してもらえるという粋な計らいがあります。

筑波山神社御座替祭:
開催場所:筑波山神社
所在地:茨城県つくば市筑波1
日程:例年4月1日,11月1日

つくば市:
万葉の昔より信仰の対象とされてきた名峰・筑波山の南麓に位置し,数多くの研究機関が集積する科学の街・つくば市。研究所をまわる夏休みのサイエンスツアーも大人気です。
その他の記事はこちら→【つくば市】

関連記事一覧