鎮護国家の五大力菩薩像。桜川市・月山寺
桜川市の月山寺は、1200年以上の歴史を持ち、様々な文化財と見事な庭園を持つ古刹。秋には、見事な紅葉が庭園を彩り、敷地内の「月山寺美術館」では仏像や地元ゆかりの作家・木村武山や榎戸庄衛らの絵画など、様々な作品を鑑賞することができます。
…が,私の一推しは、なんと言っても県有形文化財にも指定されている「木造五大力菩薩像(五大力像)」。菩薩と言うと、柔和な笑みを浮かべたおだやかな仏様…をイメージするところですが、五大力菩薩は、密教で信仰される、鎮護国家を司る忿怒(ふんぬ)形の五体の菩薩。素朴な造りでありつつも、一人で正面に立つと、ちょっとたじろいでしまうほどの迫力です。
地元では平将門の伝説とともに語られてきたそうですが、このうち一体から平安時代末期・1178年との墨書きが見つかっており、平将門の乱(935~940年)とは240年近くの隔たりがあります。鎮護国家の役割から、日本三大怨霊の一つにも数えられる将門を、240年の時を経た後も調伏しようとするものだったのでしょうか…?妄想はふくらみます。
月山寺:
所在地:茨城県桜川市西小塙1677
桜川市:
筑波山の北麓に位置する,山と里の景色豊かな桜川市には,茨城県内唯一の重要伝統的建造物群保存地区・真壁の街並みをはじめ,歴史を感じさせる風景が多く残されています。
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