切実な想いが伝わる子持ち松。かすみがうら市・胎安神社

かすみがうら市の胎安神社と子安神社。所在地もほど近いこの二つの神社は、どちらも安産子育祈願に訪れる人が絶えません。このうち胎安神社は、その名の通り「胎内安全」にも霊験あらたかなのだそう。

創建は奈良時代、天平宝字6年(763年)。その後、天喜2年(1055年)に源頼義が奥州討伐の際、都にいるご内室のため安産祈願を行うと、その後無事に嫡男が誕生。これにより、源氏の家紋とされる笹竜胆(ささりんどう)の使用を許されたそうです。現在でも、拝殿の破風などに笹竜胆を見ることができるので、ぜひ探してみてください。

境内の随神門はユニークな造りで見事ですが、この神社のイチ押しスポットはやはり、本堂東側にあるご神木の「子持ち松」。明治時代、樹齢500年の頃に枯れてしまったものの、石を抱くようにしたその姿にご利益を求め、多くの方がお参りに来られるそうです。伝えられている「月々に子持ちの松をいだきなば、子なき婦人も子持つとしれ」という歌からは、安産子育への切実な想いが伝わり、少し胸が苦しくなります。

胎安神社:
所在地:茨城県かすみがうら市西野寺433
※同じく安産子育に名高い、すぐ近くの「子安神社」の記事もあわせてどうぞ→【子安神社】

かすみがうら市:
霞ヶ浦西浦の北岸に長く伸び、古くから農業漁業がさかんなほか、茨城県内有数の果物産地でもあります。明治期に同市出身の折本良平が開発した帆引き船は霞ヶ浦の風物詩。
その他の記事はこちら→【かすみがうら市】

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