早乙女のかすり姿が水面に映える。石岡市・御田植祭

さわやかな風薫る5月初旬、石岡市・常陸国総社宮の伝統行事「御田植祭」が、同市根小屋の献穀田(けんこくでん)で開かれます。

献穀田は神に捧げる米を作るための特別な水田。戦後の混乱期に場所が不明となって以来途絶えていたものの、同地区の協力により2011年より再興したとのことです。

東筑波の新緑萌ゆるなか苗を植えるのは、公募で集められた10代から20代までの「早乙女(さおとめ)」さん達。紺のかすりに鮮やかな緋色の裾とたすき、すげがさ姿で列をなして田植えをする姿は、周囲の新緑と水田の水鏡と相まって古き良き日本の風情を感じさせ、思わず見入ってしまいます。

この後、無事に育った稲は収穫後、9月の石岡のお祭りに奉納され、12月の新嘗祭(にいなめさい※1)にて神饌(しんせん※2)として使われます。

常陸國總社宮 御田植祭:
開催地:献穀田(茨城県石岡市根小屋)
開催日程:5月5日頃※3

※1.新嘗祭:その年に収穫された新穀を神に奉納する儀式
※2.神饌:神に供える供物の事
※3.令和4年の御田植祭は、一般見学無しで執り行われます。

石岡市:
霞ヶ浦西浦から筑波山の間の肥沃な土地に恵まれ,各種果物や清酒どころとして知られています。常陸国発祥を伝える多くの史跡のほか,市街地のレトロ建築物も人気です。
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