彼岸花咲く中,七日七晩続く法要。行方市・西蓮寺

里山を彼岸花が赤く染める頃,行方市西蓮寺では,市指定無形文化財の常行三昧会(じょうぎょうざんまいえ)が執り行われます。

西蓮寺は延暦元年(782年),桓武天皇の命により開山したとされる古刹。この西蓮寺で毎年9月24~30日までの七日七晩に渡り,僧侶が堂内を廻りながら読経し続けるというのが「常行三昧会」です。

法要は,本堂から読経を行う常行堂への籠行列で幕を開けます。先導する僧の法螺貝の音とともに練り歩く行列。列の最後には,大僧正の乗る赤い籠が,これもまた赤い傘をさされながら進みます。

皆が常行堂に集まると始まる,僧全員による読経。如来像の前を読経しながら順繰りに廻り続ける業が七日七晩続き,堂内には西蓮寺節と言われる独特な旋律が響き続けます。大勢の僧侶による,独特な旋律が醸し出す厳かさは格別。YOUTUBEなどでも取り上げられているので,是非聞いてみてください。

この西蓮寺は他にも,国指定重要文化財の山門や,元寇の勝利を記念し建立されたとされる相輪,県指定天然記念物の樹齢1,000年以上の大イチョウなど,数多くの文化財を擁しており,歴史の古さがうかがえます。また,季節毎に様々な花が咲き乱れる事でも有名で,春の桜に始まり,初夏は紫陽花や山百合,秋の彼岸花に黄金色の銀杏と,訪れるたびに新たな発見があるでしょう。

西蓮寺:
所在地:行方市西蓮寺504(西蓮寺)
常三昧開催期間:9月24日から30日

行方市:
霞ヶ浦西浦と北浦に面する二湖のまち,行方市。豊かな水産・農業資源を背景に古代より栄えました。その歴史に根差した,ユニークな祭礼が数多く残っています。
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