震災を振り返る2・ささやかな風景の喪失

愛着のあった日常風景で失われたものの中には、本当にささやかな物も数多くありました。人的被害があったわけではなく、経済的被害もそこまで大きくない。でも、そのまま忘れてしまうのは勿体ない、街の愛すべき風景として、記録しておきたいと思います。

1つ目は、霞ヶ浦のほとり・手野町にあった水上鳥居。人の背丈より小さいほどの、ささやかな大きさの鳥居が二つ連なり、雄大な湖面とのコントラストがとても素敵でした。

白木の鳥居は風雨に洗われ灰色に変色し、それでもしっかりと、地域の素朴な信仰の拠り所として立っていました。サイクリングの途中、横目で眺めては、なんだかほっとする気持ちになったものです。

震災から数か月後、ようやく少し落ち着いたころに訪れると、二つとも消失していました。

2つ目は、上高津の道祖神、「どうろくさま」。すぐそばの下高津小学校の通学路上にある、これもまた小さな鳥居(子供でないとくぐれない位)と、お社が、三差路の真ん中に鎮座しているという、不思議な魅力のある空間でした。

児童の通学時などは、小さな体の子どもたちと、ちんまりとした鳥居とが、なにかおままごとの様な、ほほえましい空気を生み出していたものです。

こちらはお社は無事でしたが、鳥居が破損し、消失してしまいました。現在は、残ったお社がどこか寂し気に、でも変わらずに鎮座しています。

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