名前はユーモラス、中身は勇壮。小美玉市・アワアワ祇園

「アワアワ祇園」。何ともユーモラスな名前を持つ、小美玉市のこの祭礼。起源は、江戸時代の前期までさかのぼるとされています。

当時、同地区園部川上流で疫病が流行した際、人々はそれを牛頭天皇によるものだと考え、その御神体を川に投げ棄てました。下流の竹原村に流れ着いたご神体は、寒さで「アワアワ」と声を上げており、祟りを恐れた竹原村の村人は、濡れた御神体を焚火で乾かし、お堂に祀るようになったそうです。

この由来にちなみ、祭礼初日の御輿の御浜下りの際、アワアワと言いながら御輿に水をかけます。そして復路では、集落各戸の門前でワラ束が燃やされ、御輿の担ぎ手は勢いよくそれを踏みつけ、火を消しつつ練り歩きます。何とも勇壮なこの行為は、寒さに震える御神体を火で暖めたことをなぞらえているものだそう。

神輿のほかに、山車や獅子屋台なども練り歩く、情緒あふれるこの祭礼。小美玉市ののどかな集落に響く祭りの音を、ぜひお楽しみください。

アワアワ祇園:
開催時期:7月中旬~下旬
開催地:竹原神社(茨城県小美玉市竹原2297)

小美玉市:
霞ヶ浦西浦の北端に位置し,おだやかな田園風景が広がる小美玉市。平成22年に新たに開港した茨城空港により,茨城の新たな玄関口となっています。
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