災厄を追い払う,地域の見張り番。石岡市・ダイダラボッチ

石岡市井関区の集落の入口には,一年中怖い顔をした,大きな見張り番が立っています。と言ってもその正体は人ではなく,藁や杉の葉で作った「代田の大人形」・通称ダイダラボッチ。

毎年8月16日に地域の方々により制作されるこの人形は,藁で芯をつくり,さらにその周りを杉の葉で覆って作ります。刀や槍などの武器,世話役の方が描いた顔で飾り付けた人形は,高さ1.5~2メートルほど。なるほど,大人形です。

出来上がったダイダラボッチは,集落入口の辻におかれ,災厄を追い払う魔除けとして,一年間その務めを果たします。

天明の大飢饉(1780年頃)の後,災厄が集落に入ってこないよう,集落の入口に大きな人形を立てたのが起源とされるこの風習は,平成16年に市の指定無形民俗文化財に登録されました。後継者不足などの問題をかかえつつも,近隣の子供たちへの伝承などを通し,文化を伝える試みがなされているそうです。

ダイダラボッチ(代田の大人形):
場所:茨城県石岡市井関字代田
実施時期:毎年8月16日

石岡市:
霞ヶ浦西浦から筑波山の間の肥沃な土地に恵まれ,各種果物や清酒どころとして知られています。常陸国発祥を伝える多くの史跡のほか,市街地のレトロ建築物も人気です。
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