霞ケ浦の時の流れが凝縮。かすみがうら市・崎浜横穴墓群

広大な蓮田が広がるかすみがうら市・加茂。県道118号線を行くと,北側の斜面に無数のカキ殻が積もり,ところどころに横穴の開いた地層が現れます。

おびただしい量の貝塚に見えるこの地層の正体は,約13~12万年前,死んだマガキが潮流により集積し,自然に積もっていった「化石床」。現在の霞ヶ浦一帯が,かつては海であった事を今に伝える名残です。

そして横穴の正体は,それから遥かに時が流れ,古墳時代後期(約1200~1300年前)に作られた古墳だそう。歴史の教科書でおなじみの645年(今の教科書では646年ですが)大化の改新により,それまでの巨大な墳墓が簡素化され,この崎浜横穴墓群のような,あまり労力を費やさない横穴式が見られるようになったそうです。

ここでは,棺を安置する場所が墳墓内の正面のみのもの,正面と左右の計三か所のもの,様々なタイプを見ることができます。

リンリンロードでのサイクリングやドライブの際,悠久の時の流れが凝縮されたこの場所で,古代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

崎浜横穴墓群:
所在地:茨城県かすみがうら市加茂782-1
※私有地のため,見学の際は所有者の迷惑とならないようお気を付けください。

かすみがうら市:
霞ヶ浦西浦の北岸に長く伸び,古くから農業漁業がさかんなほか,茨城県内有数の果物産地でもあります。明治期に同市出身の折本良平が開発した帆引き船は霞ヶ浦の風物詩。
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